未曾有の出来事として日本だけではなく世界に多大な影響をもたらしている新型コロナウイルス(COVID-19)。
コロナが社会に与えている損害は絶大で、経済面でも東日本大震災やリーマンショックを超えるほど社会はダメージを受けています。
現在もなお完全な収束はしていませんが、仮に収束が見込めるようになったとしても社会のあらゆる面での価値観が変わることはほぼ間違いないでしょう。
特に労働面はテレワークが迅速に普及するなど感染拡大中の時点から大きく変わりつつあり、今では週休3日に変わるのではという声も上がったりしています。
今までの日本で在宅でのお仕事や週休3日制が提案されるなんて考えられないことですから、いかにコロナが私たちの生活を変化させているのか身を以って体感していますよね。
良くも悪くもコロナの影響を受けない仕事はないと言っていいほどで、日本語教師も少なからず影響は受けています。
日本語教師はコロナでどのような影響を受けているのか、そして今後どのように変わっていくのかこの記事では考えていきたいと思います。
この記事で書いていることはあくまでも個人の見解になりますので、参考程度までに受け止めていただければ幸いです。
日本語教師の仕事はなくなる?

まず、初めに日本語教師という仕事はコロナによってなくなる可能性はあるのでしょうか。
今回の騒動で至る所で解雇や倒産といった類の話を聞くので、正直不安になりますよね。
個人的にはなくなる可能性はないと思いますが、ここ1〜2年は活動できる機会は減っていくと思います。
そもそも日本語教師の仕事がなくなる可能性があるとするならば、主に2つの要因が挙げられます。
1つは日本語を学びたいという日本語学習者の数がいなくなることです。
日本語を学びたい人がいなければ、日本語を教えるための日本語教師も必然的に必要なくなりますので、職業そのものがなくなると思います。
ただ、今回のコロナウイルスで日本語を学びたい人が減るかと言われると、もちろんそうではないので特に影響はないでしょう。
もう1つは日本語教育を指導できる環境がなくなることです。
いくら学びたい生徒がいたとしても、学びを提供できる場所がなければ物理的に指導をすることは難しいので、仕事をしたくてもすることが出来なくなります。
皆さんもご存知の通り、今回のコロナの影響で3密と呼ばれる空間はでなるべく排除して活動をすることを推奨されていますので、教室という閉鎖空間に一定数の人数が密接に集まる日本語教師の仕事にはかなりの影響を及ぼしています。
公立や私立の学校の多くが休校という対応をしているのと同様に、日本語学校もほとんどが休校の措置を取っています。
収束まで学校での授業は実質できない状態になっていますが、日本語学校ではオンライン化授業の対応が早く、4月からオンライン授業の取り組みを行なっているところも多いです。
異国の地に勉強しに来ているので生徒さんからすれば教室で仲間を作って一緒に勉強する方が望ましいかもしれませんが、オンライン化によって教育の場は確保されるので日本語教師の仕事が出来なくなるという最悪の事態は防げています。
ただ、日本へ留学予定だった留学生の多くは来日できない状態が続いており、厳しい経営を迫られている学校もあるので、完全に収束が見込めるまでのこれから1〜2年以内は以前よりかは不安定な状態は続いていくでしょう。
悲観することばかりではなく、2021年の東京オリンピックが無事開催されましたら、今度は日本語に興味を抱く人も増大すると思うので、日本語教師の需要もグンと跳ね上がる可能性も高いです。
日本語教師養成機関での勉強は

日本語教育について学べる日本語教師養成講座も、コロナの影響は受けています。
養成講座も通学制なので学校に通う必要はありますが、こちらも日本語学校と同様にオンライン授業(eラーニング)で対応している学校が多いです。
元々、日本語教師養成講座は学習量が多く通学で通うのが大変なこともあり、一部学校で通信教育の課程を導入していたこともあり、オンライン上での授業は一般化しつつありました。

ただ、全てがオンライン授業で対応できるわけではなく、模擬授業などの実技やグループワークを伴う実践科目は教室で勉強するのが望ましいので、こちらはどの学校も教室に足を運んで学ぶようになっています。
模擬授業やグループワークはどうしても対面で行わないと実践力が身につきませんので、致し方ない部分ではありますよね。
学校によって通学課程と通信課程で学ぶ比率は異なりますが、日本語教育業界でも有名なヒューマンアカデミーでは理論学習を40%、実践力養成を60%として講座を展開しています。
ヒューマンアカデミーではコロナの影響に伴い、説明会や個別相談会もオンライン上で行なっているので日本語教師志望の方は外出することもないので利用してみるといいでしょう。
2020年の日本語教育能力検定試験はどうなる?

日本語教師は養成講座を修了する以外にも、日本語教育能力検定試験に合格することでも目指すことはできます。
試験を実施する試験会場も3密に該当しますので、コロナは日本語教育能力検定試験にも影響を及ぼす可能性は高いですが、2020年の試験は10月下旬に実施予定なので今のところ中止や延期などのお知らせはありません。

試験の開催可否の判断は他の運営が実施しているものを参考にすれば判断はしやすいです。
この記事を書いているのは5月上旬ですが、3〜4月に開催予定だったものは軒並み中止となっており、5〜6月開催予定のものも中止・延期を発表しているところが多いです。
資格情報について掲載している日本の資格検定を見てみると、7〜8月開催予定の試験もちらほら動きがあり、中止・延期を決定する団体も出てきています。
これを見ると1〜2ヶ月以内に開催予定の試験の運営元は判断を迫られる時期となっているようですので、日本語教育能力検定試験が中止または延期となるなら8〜9月頃には判断を下すのではないでしょうか。
ただ、流行が収まったようにみえて開催予定だったのに10月上旬に感染が再流行して、泣く泣く中止となるといった可能性ももちろん考えられますので、こればかりは常日頃試験を実施するJEESのホームページを見て確認していくのが一番でしょう。
日本語教育能力検定試験は年に1回しか実施されないので、仮に開催されなかったとしても中止ではなく延期となる可能性も高いので、今のうちに勉強をしていくことに越したことはないでしょう。
試験対策にはアルクなどの通信教材がお勧めです。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
自分なりに日本語教師に関わるものがコロナによってどう変化していくのか、書き綴りましたがあくまでも今回書いたのは一個人の見解です。
新型コロナウイルスは今まで体験したこともないような出来事が日々起こっていますので、正確にアフターコロナを予想できる人なんてのはこの世にはいないでしょう。
ただ、予想を立てておくことで今後の自分の選択肢の幅が広がりいざという時に動きやすくなりますので、今のうちにコロナ後の世界を考えておくのは良いかと思います。