ハローワークを経由して特定の職業に就くために、必要な知識や技能を身につけるために存在する職業訓練学校。
未経験でも特定の業界に就労することが可能なので、今とは違う業界の転職を考えている方にお勧めです。
職業訓練の対象となる職種は数多く、女性に人気の事務系から今流行りのプログラミング、簿記や技術系の資格まで様々な分野の訓練を受けられます。
そして、日本語教師の資格も実は職業訓練学校で取得することが可能なんです。
職業訓練のメリット

基本的に日本語教師の資格は通学で学ぶ場合、大学で日本語教育を専攻するか所定の日本語教師養成学校に通うのが基本的です。
既に社会人の方の場合、大学に通うのは中々難しいのでほとんどの方が養成学校に通うことになります。
職業訓練は養成学校と比較すると下記のようなメリットがあります。
費用がほとんど掛からない
養成学校では受講料として平均50〜70万ほどの費用が掛かります。

安くても50万円台とかなり高い買い物になりますので、ある程度貯金に余裕のある方ではないと受講までは踏み切れないです。
一方で職業訓練の場合、費用に含まれるのは教材費のみで受講料は無料になるので、負担額は地域によって多少差はありますが1〜3万円と破格の値段で勉強ができます。
実質無料みたいなものなので金銭面で困っている人にとっては、これほど有り難いことはないでしょう。
なぜ通学に比べてこれほど安く費用を抑えられているのかというと、職業訓練は国からしても労働者に必要な知識や技術を習得させたいためです。
職業訓練で目指せる仕事は基本的に人材が不足している業界の職業が多く、日本語教師もその中に入ります。
職業訓練を通すことで人手不足の業界の人材の輩出にも繋がり国からしてもメリットがあるので、人材を確保したいという側面から低価格での講座の提供を実現出来ているのです。
同じ境遇の人がたくさん
職業訓練学校は通学制で教室に足を運んで通うことになりますので、当然そこにはクラスメイトが存在します。
スクールですと受講に制限はなく誰でも入学することは可能なので、教室には学生・社会人問わず色々な世代の方が受けています。
対して、職業訓練は世代こそは違えど現在離職中で働いていない人でないと受けられませんので、クラスには同じ境遇の人しかいません。
私も過去に失業していて働いていない期間が少しありましたが、働いていない期間は焦燥感に駆られて不安に陥ることが多々ありました。
周りは働いている人ばかりだったので孤独感も生まれやすく、社会から切り離されているような感覚でした。
働いていないと早く次の仕事を見つけなきゃと何かと焦ってしまいますが、一緒に勉強するクラスメイトが同じような境遇の人ばかりでしたら、気持ちも落ち着いてしっかりと勉学に集中することができるでしょう。
職業訓練のデメリット

次にデメリットについてご紹介します。
職業訓練でも良いことづくしという訳ではありませんので、受講を検討する上でデメリットの部分についてもしっかり把握しておきましょう。
就業中の人は受けられない
まず、大前提として職業訓練は失業期間中の人でなければ受講することは出来ないので、就労中の方は申し込むことは不可能です。
転職を考えているような人は、働きながら転職活動をして次の働く会社の内定が出てから今の会社を辞めるという選択肢がありますが、こういったことが出来ません。
いくら公的機関で職業の訓練を受けたとしても内定を出すのは民間企業なので、職業訓練を出たからといっても必ずしも働き口が見つかるとは限りません。
なので、次の会社が決まった状態でないと今の会社を辞められないという方には、今いる会社を辞めてまで職業訓練に通うのはあまりお勧めできません。
合格しなければならない
離職中で就労意欲があれば誰でも職業訓練学校で学べると思っている方は意外と多いですが、それは大きな間違いです。
職業訓練校には企業の採用試験ように、書類審査や面接選考、職種によっては筆記試験などを受ける必要があり、それに合格しなければなりません。
もちろん企業の採用試験に比べればそこまで失敗をしない限り落とされる心配もあまりありませんが、定員数を大幅に超えるようなコースでは倍率も高くなります。
特に日本語教師養成講座は頻繁に開講しているコースではなく、かつ需要が高く人気もあるので相応の倍率は覚悟しておいた方がいいです。
応募する方はハローワークと言えど面接の対策は万全に行いましょう。
離職期間が長くなる
例え学校で勉強していたとしても実際に仕事をしているわけではないので、職業訓練学校に在籍している期間が長くなるに連れて離職期間も長くなってしまいます。
まして日本語教師の勉強範囲はとても広いので、少なくとも3ヶ月以上は在籍することになります。
職歴のブランク期間が長くなるほど会社の採用活動にも響きます。
学校に通って一応卒業して無事に日本語教師の資格も取得出来たけれど、やっぱり日本語教師になるのは辞めるとなってしまっては、ブランク期間もあるので他の仕事を探すのも困難になってしまうので注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今見てきたように、職業訓練にもメリット・デメリット両方の側面を持ちます。
本当にやる気があって日本語教師を目指す人にとっては大方メリットがありますが、とりあえずの時間潰しで受けてみるというような人にはあまり向いていません。
ご自身の境遇や今後の働き方などをしっかりと考えて、職業訓練の利用は検討するようにしていきましょう。