日本語教師の働き方は専任講師と非常勤講師の2種類の働き方があります。
専任講師は一般的な会社でいうところの正規社員であり、雇用保険やボーナスなど生活の保障がしっかりとされています。
対して非常勤講師は派遣社員やアルバイト的な立ち位置であり、勤め先の日本語学校にもよりますがボーナスなどの制度は適用されないことが多いです。
普通に働いて安定的な生活を過ごしたいのであれば専任講師として働く方がもちろんいいでしょう。
ただ、非常勤講師として働く魅力も多く、日本語教師として働いている人の割合は専任講師よりも非常勤講師のが多いのです。
平成29年度の日本語教育機関実態調査を見ても分かる通り、専任の割合が全体の30%なのに対して非常勤は全体の70%と10人に7人が実は非常勤講師として働いているのです。
割合が多いので自分は非常勤だからと後ろめたい気持ちにもならないで、伸び伸びとした気持ちで働ける環境が日本語教師の世界にはあるのです。
非常勤講師として働く魅力は他にもまだまだあります。
時給が高い
日本語学校で非常勤として働く場合、給料は固定給の月給制ではなく時給単位で支払われるところがほとんどです。
一般的な派遣社員やアルバイトの時給は1,000円~1,200円ぐらいですが、日本語教師の非常勤講師は1.500円や2.000円などの求人がざらにあり、中には時給3,000円を超えるところもあります。

アルバイトで時給2,000円以上となるとプログラマーや薬剤師などの専門的(日本語教師も専門職ですが)な職種ではないと中々超えないので、給与面の待遇はかなりいいと言えるでしょう。
一昔前までは薄給で稼げないというイメージのあった日本語教師ですが、留学生が増えて日本語学習の需要は高くなったこともありここ数年で給料もグッと上がってきています。
ただ、日本語學校にも夏休みや春休みのような長期休暇期間があり、その期間には授業を入れることもできないので休み時にはあまり稼ぐことはできません。
掛け持ちができる
非常勤は正規雇用ではないので他の仕事と掛け持ちして働くことができます。
日本語教師を副業として働く人は多く、平日は本業に専念して土日や祝日は日本語教師として働くといったワークスタイルが可能です。

副業社会が到来すると言われている時代ですので、時給2,000円以上稼げる仕事があったらかなりの生活の支えになることでしょう。
反対に平日に日本語教師をメインとして働いて休日に他の副業するといった働き方は少し難しいです。
非常勤の方は週5出勤のフルタイムで働くことはあまりなく、「午前のみ」または「午後のみ」といったコマの中で働くことが多いので、フルタイムで働きたい方は専任講師を目指すようにしましょう。
授業に専念できる
専任講師も非常勤講師も日本語を学びたい方に日本語を教えるのが主な仕事ですが、専任講師はこれに加えて進路指導やカリキュラム作成といった仕事も任せられます。
学校の職員室でその時間帯に授業を行っていない先生が机で事務作業をしていますが、あれと同じような感じで専任講師にも事務作業が発生します。
非常勤講師は基本的に事務作業までは仕事の範囲には入っていないので(日本語学校によっては担当することもあります)、その分授業に専念して働くことができます。
事務作業自体に難しいところは特にありませんが、作業量は多く手間は掛かるので意外と面倒くさいものです。
外国人生徒が授業を通して徐々に日本語を覚えていく様を見ることに日本語教師のやりごたえはありますので、その授業に集中して取り組めるのは非常勤の魅力とも言えます。